◆小中学生の語彙力について◆

中学必修単語は現在1,365語となっていますが、これはほぼ単語に限ったことであって、catch a cold やbe interested in ~ などの熟語や連語を加えると、2200語以上になります。しかも、県内の中学校で採用されている教科書は1つではありませんから、通う中学校によって学ぶ語彙にも違いが生じます。ある調査によると、中学3年間で履修する語彙のうち、国内教科書主要5社で共通して採用されている語彙数は850語程度だそうです。当然この850語は、高校を目指すすべての中学生にとって、100%完璧に覚えるべき最重要語彙であることに間違いはありません。詳しく調べていませんが、公立高校の入試問題では、そのあたりに配慮して出題がされているかもしれません。、ですから、公立高校入試だけを目標にするなら、いわゆる「入試頻出語彙」として、これらを重点的に学習する、というやり方もあるでしょう。が、「頻出語彙」だけに特化するのは、試験直前の「期間限定」学習です。ふだんの学習では、とにかく1語でも多く覚えていかないと、高校に入って苦労することは目に見えています。なぜなら、難関といわれる大学を目指す場合、、最低でも10,000語、欲を言えば12,000語以上なければ、太刀打ちできないからです。中学3年間で1,000語身につけた生徒と、3,000語身につけた生徒では、高校入学時点からすでに相当な差がついています。 当然といえば当然ですが、これは語彙数だけの差ではなく、英語力そのものの差となって現れます。たとえば長文問題では、知らない語彙が多くなればなるだけ、読んで理解するのに時間がかかります。しかも、そのように語彙が不足している生徒の場合、「文脈から類推する」というセンスも育っていないことが多いですから、わからない単語が1つあるだけで、全文が理解できない、といったことも時に起こります。つまり英語の試験で点が取れないのです。私の経験の中でも、「単語はたくさん覚えているけど、英語が苦手」な生徒は一人もいません。逆に、中学生でも高校生でも、英語が苦手な生徒は、共通して語彙力が貧弱です。つまり英語学習における「語彙」とは、お金のようなもので、「いくらあっても邪魔にはならないが、なければたちまち困るもの」と言えるかもしれません。最後に、ここで述べている「語彙力」とは、「読める、意味がわかる、書ける」、そして「聞ける」語彙の多さであると定義しています。

※「聞ける」能力は、教室で実践している音読指導とも関わりますが、「正確に読める」能力の向上に間違いなく比例します。この点につきましては、生徒の事例をまじえながら、またの機会に書きたいと思います。